大城立裕文庫
沖縄で初めて芥川賞を受賞した作家の大城立裕氏(1925年~2020年)が収集した約10,000点の資料の寄贈を受け、2010年2月に文庫が開設された。
当初、大城氏は「県立沖縄近代文学館」構想を提唱し、実現までの保管のため、2003年3月に県公文書館へ資料を寄託していたが、2007年2月にあらためて同資料は県立図書館に寄贈されることになった。
「大城立裕文庫」の内容は大城氏の直筆原稿や作品、戦後沖縄で刊行された文学及び演劇関係の諸雑誌類、沖縄芝居や琉球舞踊などのパンフレット類、沖縄に関する歴史・民俗資料、書簡類など多彩である。
大城氏自身の幅広い創作活動によって著された膨大な資料や戦後沖縄の文芸活動を伝えるこれらの資料は、沖縄の戦後史を知る上でも貴重であり、研究者のみならず沖縄県民にとっても、魅力的な文庫となっている。
2010年2月には沖縄県立図書館開館100周年プレ企画として、「大城立裕文庫開設展」が開催された。会場には芥川賞の正賞の時計や直筆原稿(複写)、司馬遼太郎からの書簡等、更に氏自身の創作作品や関連資料が年譜にそって展示され、多くの県民が大城氏の功績や文庫について知る良い機会になった。
所蔵資料の一部
『カクテル・パーティー』原稿(複写)
『世替りや世替りや』ポスター
『日の果てから』責了原稿
芸能関係パンフレット